マーケティングにおいて「顧客エンゲージメント」という言葉を目にする機会が多くなってきているのではないでしょうか。「エンゲージメント」とは、「約束」「契約」といった意味を表す言葉ですが、ビジネスの場面で用いられる「顧客エンゲージメント」とはどのようなことなのでしょうか。
本記事では、顧客エンゲージメントとはから顧客エンゲージメントを高めるメリット、高める方法まで詳しく解説していきます。
目次
– 顧客エンゲージメントとは
– 顧客エンゲージメントとロイヤリティとの違い
– 顧客エンゲージメントとCX/CSとの違い
2. 顧客エンゲージメントの注目が高まっている背景
– 差別化が難しくなってきた
– SNS等による顧客の発信力の高まり
– LTVの重要になってきた
3. 顧客エンゲージメント向上のメリット
– リピート購入や他の商品購入の可能性が増える
– 顧客が自発的に口コミを広めてくれる
– コミュニティでの顧客同士での価値共有ができる
4. 顧客エンゲージメントを高めるには
– 顧客データの収集
– データ分析
– 改善施策を立て、実行
5. 顧客エンゲージメントの向上にも効果的なライブコマース
6. まとめ
1. 顧客エンゲージメントとは
顧客エンゲージメントの意味と類似用語との違いについて解説していきます
|顧客エンゲージメントとは
顧客エンゲージメントとは、「企業と顧客の信頼関係の構築」「顧客が企業に感じる信頼感や愛着」といった意味を示します。
サイトに何度訪れているか、ショップでの購入額はいくらか、などのデータが顧客エンゲージメントを測る尺度になります。このような尺度を用いて測られた顧客の企業に対する「信頼」や「愛着」がマーケティング領域における顧客エンゲージメントです。
|顧客エンゲージメントとロイヤリティの違い
「顧客エンゲージメント」と「ロイヤリティ」はどちらも顧客の企業に対する信頼度を表すものとしては似ている言葉ですが、この2つの違いは信頼度の測り方、尺度に違いがあります。「顧客エンゲージメント」は、サイトのアクセス数や購入額など顧客の行動から信頼度を測るのに対して、「ロイヤリティ」はアンケート調査を行い、その結果から信頼度を測ります。ロイヤリティの調査ではアンケートとして、プロダクト(サービス)を家族や親しい友人にどの程度進めたいかを0~10の点数で評価してもらうNPSという手法がよく用いられます。
|顧客エンゲージメントとCX/CSとの違い
顧客エンゲージメントと「CX(顧客体験価値)」「CS(顧客満足度)」についても明確な違いがはっきりしていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
CXとは、商品/サービスの機能や価格といった価値だけでなく、購入から使用、購入後のフォローを含めた体験や経験の価値を重要視するものです。CXが商品/サービスに触れる中でのその時の体験であるのに対して、顧客エンゲージメントは、顧客と企業との間で生まれる中長期的な関係性を示します。効果的なCXの連続、CXの積み重ねが顧客エンゲージメントに繋がります。
CSとは、商品やサービスへの顧客の満足度を示すものです。CSは顧客エンゲージメントを測るための一つの指標となります。
2. 顧客エンゲージメントの注目が高まっている背景
近年注目度の高まってきた顧客エンゲージメントという言葉ですが、なぜ注目されるようになってきたのでしょうか。
|差別化が難しくなってきた
スマートフォンの普及により、顧客は多くの情報を手に入れることができるようになりました。それによって機能や価格だけでは他社と差別化を図ることが難しくなってしました。
また、現在D2Cの普及やネットショップの開設が手軽になったことでBtoC市場に参入しやすい状況になったことも差別化が難しくなった要因です。参入しやすくなり、競争が激しくなることで顧客からすると同じような商品やサービスばかりで、機能や価格では差別化ができません。
そこで、単に機能や価格による価値だけでなく、体験価値を高めながら顧客との接点を増やし中長期的な信頼関係を構築していくことが求められるようになりました
D2Cについては下記の記事でもまとめていますので、もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
▶D2CとECって何が違うの?そもそもD2Cとは?
|SNS等による顧客の発信力の高まり
SNSの普及によって、顧客自身のSNSの投稿による口コミの影響力が非常に強くなりました。企業が自らCMや広告で打ち出すイメージよりも、実際に商品やサービスを利用した人のリアルな声の方が重要視されるようになっています。顧客一人一人のSNSでの発信が重要になったことで、口コミで商品やサービスを宣伝してくれるような顧客を増やしていくことが大切になります。そこで顧客との結びつきが重視され、顧客エンゲージメントの注目が高まりました。
|LTVが重要になってきた
情報が大量に手に入るようになったことで、差別化が難しくなり商品やサービスが顧客に見つかりにくくなっています。そのため、新規の顧客獲得が難しいです。
そこで、もちろん新規顧客獲得も重要ですが、既存顧客を離れさせないことがより重要になってきます。そして、既存顧客を離さずLTV(顧客生涯価値)を高めることが重視されています。LTVの向上には企業と顧客の中長期的な信頼関係が欠かせません。
LTV向上については下記の記事でもまとめていますので、もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
▶既存顧客での売り上げを最大化EC市場におけるLTVの向上!
3. 顧客エンゲージメント向上のメリット
顧客エンゲージメントが重要だと話してきましたが、実際に顧客エンゲージメントを高めるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
|リピート購入や他の商品購入の可能性が増える
顧客エンゲージメントを高め、企業と良好的な関係を築いている顧客は一度きりの購入だけでなく、繰り返し商品やサービスを購入してくれることが期待できます。顧客エンゲージメントを高めれば、企業やブランドのファンにすることができ、同じ商品やサービスのリピート購入だけでなく、その企業/ブランドの他の商品やサービスの購入もするでしょう。顧客エンゲージメントを高めることで、継続的な購入やその他商品の購入といったメリットがあります。
|顧客が自発的に口コミを広めてくれる
先ほどの、顧客エンゲージメントの注目が高まっている理由のSNS等による顧客発信力の高まりでも述べたように、顧客は商品やサービスについて自発的に発信を行ってくれます。SNSを用いて口コミを広めてくれる顧客は、広告費のかからない広告塔といっても過言ではないでしょう。そして、顧客エンゲージメントを高めることで、顧客がSNSで発信する内容がポジティブで良いものになるでしょう。こうした口コミは新規顧客の獲得にも繋がります
|コミュニティでの顧客同士での価値共有ができる
顧客エンゲージメントを高めることで、企業やブランドのことを好きな顧客同士でのコミュニティが形成され顧客同士で価値の共有をすることができます。
また、企業が顧客とコミュニケーションをとることで、リアルの顧客の声を商品やサービスの改善に活かすことができます。
4. 顧客エンゲージメントを高めるには
様々なメリットがある顧客エンゲージメントの向上ですが、どのようにしたら顧客エンゲージメントを上げることができるのでしょうか。
|顧客データの収集
まず、行うべきことは顧客のデータを集めることです。性別や年齢といった属性的なデータから、購入品や購入金額などのデータまで多くのデータを集めます。顧客の情報を客観的に見ることができるデータに集めることでその後の効果的な施策に繋がります。
|データ分析
集めたデータを詳しく分析していきましょう。性別年齢ごとの購買傾向やセットで購入が多い商品など、データ分析を行うことで見えてくることがあるでしょう。
ここでは、どのような客にどんな商品やサービスが人気なのかを明らかにすることで顧客に最適なサービス提供をし、顧客エンゲージメントの向上を考えます。
|改善施策を立て、実行
データ分析の中で見えてきた課題を改善するための施策を考え実行に移します。
自社内で改善策を考えることも非常に重要ですが、顧客とのコミュニケーションと取るのかで得た課題や改善案なども実行してみるのも良いでしょう。顧客の意見が通るとより顧客エンゲージメントも高まるでしょう。
5. 顧客エンゲージメントの向上にも効果的なライブコマース
顧客エンゲージメントの向上には、顧客の要望にあったサービスを提供することが重要です。そのために、データを集め、分析し、完全案を立て実行する流れを組みますが、顧客からの直接の声を聴くこともとても重要です。企業と顧客の双方向的なコミュニケージョンの中で顧客エンゲージメントは高められます。
ライブ配信で商品を販売するライブコマースは、双方向的なコミュニケージョンが可能です。テキストや写真だけでなく、映像による訴求で商品の詳細が分かるだけでなく、ライブ配信を楽しみながら購入する体験ができるため、満足度も高まります。ライブコマースでの商品の購入体験を通して、顧客がライバーや配信コンテンツ、さらにその先の企業のファンになることが期待できます。
ライブコマースについては下記の記事でもまとめていますので、もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
▶ライブコマースとは?メリットや導入検討の際に注意すべき点などを徹底解説
6. まとめ
今回は顧客エンゲージメントについて解説してきました。
新規顧客の開拓だけでなく、既存顧客を離さない工夫も重要になっている現代のマーケティングにおいて顧客エンゲージメントの向上は欠かせません。
新たなマーケティング手法であるライブコマースは顧客エンゲージメントの向上にも効果的です。
株式会社The Unitが提供するライブコマースツール「ライコマ」は導入~企画立案、配信後の分析まで一気通貫してサポートいたします。
また、顧客価値を高めていくためには中長期的にライブコマースに取り組んでいく必要があります。
ライコマは業界でも非常に安価な価格でご提供しておりますので、
興味がある方は是非一度お問い合わせください。