ライブコマースはライブ配信とECサイトを掛け合わせた新しい販売手法です。中国の市場は大きく、人気があります。現在では日本でもライブコマースへの注目度が高まっています。
日本でのライブコマースに失敗のイメージが強い理由や伸びてきている市場の現状について解説していきます。
目次
– 中国のライブコマース市場
– 中国で人気な理由
2. ライブコマースは日本では失敗する?成功イメージがない理由
– ECモール型事業者の事業撤退
– 導入して成功している事業者の少なさ
3. 日本でのライブコマースは中国の真似だけでは失敗する!?
– ライブコマースにおける中国と日本の違い
– 購買率や視聴者数増加のためのコンテンツ/施策
– 費用対効果(KPIの定義付けとその定め方)
4. 日本のライブコマース市場への追い風
– コロナ禍でのEC事業の伸び
– ライバーの台頭/プラットフォームの充実
– 日本市場での大きな可能性
5. まとめ
1. 中国で人気のライブコマース
|中国のライブコマース市場
コロナ禍による巣篭もり需要、また家にいながらいつでも楽しみながらお買い物ができるというライブコマースの特徴もあり、中国の一般ユーザーに深く浸透しました。
三井物産が発表した「拡大する中国のライブコマース市場」によると、2021年の中国のライブコマース市場は1兆9,950億元(約33兆9,150億円)に達する見込みで、今後もさらに拡大していくと言われています。
中国のライブコマース市場については下記の記事でもまとめていますので、もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
▶ 中国ECで注目を集めるライブコマース市場
|中国で人気な理由
中国でライブコマースが人気な理由は販売施策とコンテンツにあります。
ライブコマース限定のクーポンやセールを行ったり、配信コンテンツにはエンタメ性を持たせていたりします。また、インフルエンサーから商品を買うことができることは商品への信頼度も高まることに繋がり、購入意欲が高まることも人気である理由です。
2. ライブコマースは日本では失敗する?成功イメージがない理由
日本でライブコマースを行っても失敗すると考えている方も多くいるのではないでしょうか。
日本のライブコマースに成功のイメージが湧かない理由について解説します。
|ECモール型事業者の事業撤退
2017年ごろから日本でもライブコマース市場に参入するプラットフォームが増えました。
ライブコマースのプラットフォームには「SNS型」「アプリ型」「ECモール型」「ECサイト埋め込み型」の4種類があります。SNS型、アプリ型、ECサイト埋め込み型のプラットフォームはサービス開始から継続している事業者が多いですが、ECモール型のプラットフォームには撤退した事業者が多くいます。具体的には「ヤフオク」「Yahoo!ショッピング」「メルカリ」などがあげられます。これらの事業者は有名であるためライブコマース失敗の印象を強く与えます。
しかし、ECモール型事業者の撤退にはECモール型プラットフォームならではの課題が原因であると考えられます。ECモール型プラットフォーム特有の課題としては、ECモールに出店しているお店であれば無料で配信が可能であり、配信にかかるストリーミングサーバー代などのコストが負担になったことがあげられます。
|導入後、成功している事業者の少なさ
日本でのライブコマースに失敗のイメージを感じる要因の一つに成功事例の少なさも挙げられます。
日本でのライブコマースの成功事例は少ないながら、確実に成果を出している企業も増えてきています。また、ライブコマースを導入している事業者の数も年々増加しています。導入企業が増えているにもかかわらず、成功事例が少ないのは多くの企業で失敗しているからではないかと考えてしまうかもしれません。
しかし、失敗しているわけではありません。ライブコマースの特性上、成果が出るのに時間がかかります。成功させるには単発での成果を見込むのではなく、中長期的な配信と運用が必要です。
多くのプラットフォームがあることからわかるようにライブコマースは日本でも注目が高まっています。一般のユーザーの認知度は半数近くまでのびており、実際にライブコマースを利用したことある人は1割を超えています。
3. 日本でのライブコマースは中国の真似だけでは失敗する!?
中国では当たり前になりつつあるライブコマースですが、そのまま全く同じことを日本でやっても上手くいきません。
中国でライブコマースが人気になった背景や日本との違いなどについて探っていきます。
|ライブコマースにおける中国と日本の違い
中国でライブコマースが人気となった背景には、中国の商品に対する信用度や安全性が高くないということがあります。
買ってみたら偽物だった、品質が低かったなど粗悪品が紛れていることが多く発生しています。ECサイト上の購入では、実物を見て買うことができないため信用度の低い製品は売れません。しかし、ライブコマースはインフルエンサーが販売しているため商品への信用度が高まり安心して購入ができます。
一方日本では、特有のコンビニ文化(店舗の多さやサービス充実度などの高い利便性)や商品や情報などの信頼度などから、中国での配信内容と同じようなコンテンツ内容にしてもライブコマース視聴時の衝動買いが生まれづらくなっています。
|購買率や視聴者数増加のためのコンテンツ/施策
購買させるための動機付けなどを番組内盛り込むこと、また常時サイトに訪れても楽しめるような量の拡充とサイト導線の設計などを構築など、ただ配信することだけに注力しないようにする必要があります。
番組企画だけでなく、ライブコマース限定のクーポンやセールなどのライブコマースで購入することにメリットを持たせるような施策も効果的です。
|費用対効果の見方(KPIの定義付けとその定め方)
ユーザー側のライブコマースに対する認知度が伸びているとはいえ、まだ低い以上、瞬間かつ短期的な売上を狙うのではなく、中長期的な視点で事業を計画し、売上だけでなく、視聴数・コメント数などフェーズに合ったKPIの設定をしていく必要があります。
4. 日本のライブコマース市場への追い風
|コロナ禍でのEC事業の伸び
新型コロナウイルスの感染拡大によって巣ごもり需要が増えたことで、ECに対する需要が高まっています。また、新型コロナウイルスの影響で、新たなEC利用者層の登場も、EC市場が伸びている理由の1つといえるでしょう。ECの利用に関しては、コロナ禍以前の段階でほぼ頭打ちの状況となっていましたが、緊急事態宣言の発令以降は、需要が一気に拡大しました。
また、緊急事態宣言が解除され、外出の機会が増えてもEC需要は高い水準を維持しており、一時的なものではないことがうかがえます。このようなECに対する需要の高まりはライブコマース市場も拡大に大きく影響していくと考えられます。
EC市場については下記の記事でもまとめていますので、もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
▶EC市場とは?なぜ伸びているのか徹底解説!
|ライバーの台頭/プラットフォームの充実
InstagramやTikTokなどの流行でライブ配信自体に触れる機会ご増加しましまた。そのような状況の中で、日本でもライブ配信を専門に活躍するインフルエンサーが台頭してきました。ライブ配信のプロが出てきたことはライブコマースの市場拡大にも良い影響を与えると考えられます。
また、ライブコマースを行う環境が整ってきていることにも注目すべきです。InstagramやFacebookのようにSNSを用いて手軽に始められるライブコマースから自社ECサイトに埋め込む本格的なライブコマースまで選択肢が豊富になりました。
|日本市場での大きな可能性
前述している通り、日本でのライブコマースの成功事例が少ないことは事実です。
しかし、日本での成功事例が少ないということを逆に考えると、成長が期待されるライブコマース市場で日本のライブコマースのパイオニアになる大きなチャンス秘めていることになります。今回述べた課題や注意点を踏まえてライブコマースを行えば日本でもライブコマースを成功させるチャンスは大いにあります。
5. まとめ
本記事では失敗のイメージがある日本のライブコマースの現状についてお話してきました。
日本でもコロナ禍の長期化やECでの買い物の日常化などあらゆる角度からみてライブコマースへのニーズも高まると予想されています。
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